◆ 南仏プロヴァンスの旅 :
Voyage en Provence vol.2 ◆
* * *Marseille, Aix-en-Provence, Cavaillon, Lourmarin, Vaugines, Avignon* * *
南仏はやっぱり初夏が最高!パリにようやく春がやって来る頃、南仏はうまくいけば初夏のさわやかさ。昨年の旅からますます私を虜にした南へ、4泊5日今年も元気に行ってきます。
今回は前回とは少し性格の違う街や村を回る予定。まずはフランスでも有数の大都市、そして港町のマルセイユへ。2600年前に建設された歴史の古いこの街はよく言えば国際都市だけど、悪く言えばかなり怪しげ・・・。中近東のおやじ達がたむろして、人が行き交うのをジロジロ見つめています。ここは本当にフランス?って思ってしまうほど、中近東や北アフリカ文化の影響が大きい。建築様式にも街角の食文化もそれがよく現れていて、フランスにいながら外国に来たような気がする・・・。
写真は丘の上にたつノートルダム・ドゥ・ラ・ギャルド教会を旧港から見ているところ。この教会へはこの港から出ている観光用ミニ電車(かなりおススメ)でも、同じくここから出ている60番の市バスでも行ける。素晴らしい眺めを堪能できるのでマルセイユに来たなら、ここへは必ず行くべし。
マルセイユには建築ファンなら絶対に足を向けてしまうル・コルビュジエの有名な「ユニテ unité d’habitation, 280 boulevard Michelet 」がある 。1947-1951年にかけて建設されたこのユニテは1935年以来コルビュジエが提唱していた都市機能を兼ね備えた集合住宅を実現したものであり、中に郵便局や商店、屋上にはジム、幼稚園、子供用プールと遊び場が設置されている。
1日目はマルセイユに宿泊。とにかく見所の多いこの街、1日では短すぎました。翌日は半日かけてロンシャン宮あたりの美術館を何軒か見学した後、ゆっくりと行ってみたかったパニエ地区に心を残しながらも、高速バスでエクス・アン・プロバンスへ移動(約30分、本数は非常に多いです)。
今回はエクスに2泊、とここをメインにゆったりと予定を立ててみた。エクスの散策はもちろんだが、ここは大好きなリュベロンにほど近い都市なので、日帰りでどこかの街や村に行けたらいいな・・・とも思っていた。でも距離は近くてもバスはそう都合よくは走っていなかったのである。例えば憧れのゴルドなどへは週に2便・・・。とてもじゃないが日帰りは出来そうにないので、比較的バスが多い近くの街カヴァイヨンへ行ってみることにした。ここはメロンでとっても有名な街。ちょうど昼下がりに到着。街の入り口付近で軽くお昼を食べて、一歩街に足を踏み入れると、すぐに高台にある小さな教会が目についた。もちろん、私はまっさきにそこへ登っていました。
高台のふもとにローマ時代の遺跡である凱旋門、その奥に丘の上のサン・ジャック礼拝堂までの散歩道が続いている。登りつめるとカヴァイヨンを一望(写真上)に見下ろせて気持ちがいい。見下ろす街自体は新しい建築も目につき(調和を目指す努力はよくわかるけど)、心打たれるほど美しいものではない。それでもここにいると自然に囲まれた空間の広がりを独り占めできて、とても幸せな気分でした。とにかくあまりに天気がよくて気持ちがよかったので、ついついキャミソールになってしまい、学習能力のない私はまたヤケドに近い日焼けをしてしまったのでした。これは、後悔先に立たずです。南仏の日差しはきついのでほんの小一時間でやけどになっちゃいますから、UVケアをお忘れなく・・・。
エクス・アン・プロバンスは上品で美しい南仏の小都市。目貫通りのミラボー大通りをはさんで北にはにぎやかな旧市街、南にあるのは静かで趣のあるマザラン地区。いくつかある美術館をのぞきながらゆっくり散策を楽しむ。街をぐるっと囲むブールヴァール(環状道路)の外には、エクスゆかりの画家セザンヌのアトリエや、ヴァンドーム館などの見所もある。ヴァンドーム館の庭(写真左)は、とてもきれいに整備され、市民の憩いの場になっている。
観光局で
もらえる「セザンヌを訪ねて」の資料(なんと日本語があるよ)を片手に、舗道に飾られているセザンヌ・プレートにしたがって歩けば、12ヶ所ものセザンヌにまつわる場所が見て歩けるようになっている。
一路、ルールマランへ。エクスの高速バス乗り場から約1時間ちょっと、こんな道を走っていくのだ。ルールマランは「フランスで最も美しい村々」の一つに選出されている(まあ南にはそれに選ばれている美しい村々が多いんだけど・・・)。私が好きなvillage perché (丘の上の村)ではないけれど、大リュベロンと小リュベロン(山の名称)の間の谷間に位置し、リュベロンの中ではゴルド(こちらはvillage perchéの代表格)同様とても有名です。その容姿の美しさだけでなく、有名な高級ホテル・レストランがあったり、フランソワ1世も滞在した中世のお城があったり、作家カミュのお墓があったり・・・と有名な理由は様々・・・。
バスからちらほら集落群が見えてくると、そこはもうリュベロン。 写真左はバスから見えたローリスという集落。こういうvillage perchéを見るとほんとうにワクワクしてしまうわね。なんて美しいんでしょう・・・。
リュベロンは東西に連なる大リュベロンと小リュベロンを中心に、その南と北にそれぞれ集落群を抱えている。今、南仏プロヴァンスとして脚光を浴びているのは特に山の北の方だけど、南にもやっぱり素敵な集落はあるものです。こちら側が少々地味に感じるのは名物のラヴェンダー畑が少ないからだろうか・・・?
ルールマランでは何かの雑誌で見つけた可愛い民宿、Villa Saint-Louis ( 35, rue Henri de Savournin, tel : 04
90 68 39 18, fax : 04 90 68 10 07 ) に宿泊。ラッサルレット夫妻が営むこの民宿は、南仏らしいインテリアを持つ17世紀の古い館と広々としたお庭が魅力です。ガラクタのようなアンティークがあちこちに・・・、それがまた南仏らしくていい!ここの賄いをやっているのはアメリカ人の若い男の子。朝食の時、少し話をしたが、部屋の掃除や朝食の準備をしながら、ここに滞在しているみたい。仕事が終わればあとは自分の時間だそうで、友達とマウンテンバイクでどこかへ行ってしまった。お気に入りの村で、そんな生活をしてみるのもいいな・・・と少し思った。
宿のベルナデット夫人にここから歩いていけるおススメの村を尋ねた。私はローリスがいいかな・・・って思っていたのだが、彼女はヴォージーヌを勧めてくれた。なんでも私の大好きな映画「愛と宿命の泉」の一部はこの村で撮影されたそうだ。がぜん歩く気になってきた。ここからだとどの集落もだいたい片道5−6キロ。行けば戻ってこないといけないのでけっこう気合いがいります。途中、野良犬だか飼い犬だかわからないけど怖い犬数匹に吠えられて、結構キツイ散歩でした(田舎の犬は番犬が多いから飼い犬でもこわいのです!)。ようやくたどり着いたヴォージーヌは村の入り口に泉の広場があり、そこにカフェと日用雑貨を売るお店があるだけ。観光客はほとんど来ない、本当に素朴な村。こんなところで撮影をするなんて、当時はすごい騒ぎだったんじゃないだろうか・・・、などと思いながら村を一周して、泉のカフェで一休み。プロヴァンスはいまや日本でも大人気だけど、この村に来た日本人はさすがに少ないんじゃないだろうか!
夜はプロヴァンスらしい郷土料理を感じのいいこじんまりとしたレストランで頂く。よく歩き、よく食べる・・・、今回も幸せなプロヴァンスの休日でした。
プロヴァンスのおすすめサイトはこちら ↓
http://www.provenceweb.fr/
http://www.provence.guideweb.com/
http://www.provence-paca-media.com/accueil.htm
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