深夜MIKAのカフェタイトル

プラハへの旅 : voyage à PRAGUE




プラハの街の様子

 
旧市街の大時計        ユダヤ人墓地 

      
旧市街広場               ヴァーツラフ広場                黄金の小路

  
 
路面電車                地下鉄構内

2泊3日でプラハに行ってきました。多くのヨーロッパ人も憧れるこの街は、心地よい夏の日にはまるで宝石箱のようなキラキラとした色彩を放つ素晴らしい歴史の街。暗い革命のイメージが強かったのですが、今ではそんなことを全く感じさせないほど大勢の観光客で賑わい、街の人々もとても親切で、安全に観光が楽しめる雰囲気だった。
街は大きく丘側と旧市街、新市街にわかれていて、見所は旧市街と丘側の
小地区(マラー・ストラナ)に集中している。まずはプラハのシャンゼリゼ大通りと呼ばれるヴァーツラフ広場と同様に、街の心臓部を担う旧市街広場ユダヤ人街が旧市街にあり、ヴァルタヴァ川にかかる有名なカレル橋を渡ると丘側へ。ここらは小地区と呼ばれ、プラハ城(同じ敷地内には可愛らしい黄金の小路)をはじめとしてロレッタ教会ストラホフ修道院(図書室は必見!)など大型の見所を擁している。ペトシーンの丘からは旧市街を一望できる素晴らしい眺望を堪能できるのでぜひ足を運んで欲しい。
私たちはたくさんの建築を広範囲に見て歩いたのでぜんぜん時間が足りなかったが、主要な見所を楽しむだけでも2泊はぎりぎりラインだろう。それだけ見るべきものも楽しむものもたくさんあると言うこと!
交通手段は地下鉄と路面電車(制限時間内は乗り放題)があって便利ですが、中心部の移動は徒歩で充分。あと観光馬車なんてのもある。

プラハのアール・ヌーヴォー建築


プラハ市民会館ファサード


プラハ市民会館内カフェ

プラハはアール・ヌーヴォーを語る上でとても重要な街だ。確かにその主要国であるベルギーやフランスに比べると遅咲きではあったのだが、質・量ともに決してひけをとらない。上の写真は以前王宮があった場所に1905−1911年にかけて建てられたプラハ市民会館(バルシャーネク、ポリーフカ作)は、プラハにおけるアール・ヌーヴォー建築の代表的傑作である。となりにそびえるゴシック様式の火薬塔とのユニークな調和がなんともプラハっぽい。ミュシャも参加している内部装飾は、その中心となるスメタナ・ホール、各サロンをガイド付見学ツアー(1日に数回あり)で見学ことができる。1階左翼はカフェとなっているので、チープな価格で優雅な雰囲気!をお楽しみください。

  
 パリ通りの建築       ウ・ノヴァークーの家

  
元プラハ保険社              元トピチョ出版社 

  
 ホテル・ヨーロッパ            産業宮殿・博覧会場
                                            
      
総セラミック貼のカフェ              ホテル・パリ内                   キノ・パッサージュ        

1891年に建設された産業宮殿がプラハに近代化とアール・ヌーヴォーの息吹をもたらした。数年後、1896年からユダヤ人街の中心を担うパリ通りパジージュスカ通り)は整備が始まる。旧市街広場からのびるこの通りはパリを意識したアール・ヌーヴォー建築が立ち並ぶプラハで最初の大通りとなった。この整備をきっかけにプラハのアール・ヌーヴォーは、ホテル建築や商業施設を中心に一気に開花していく。その他、ヴァーツラフ広場、国民劇場周辺にも多くのアール・ヌーヴォー作品が見られる。
最後に訪れた
プラハ中央駅内ホール(1901−1909年、ヨゼフ・ファンタ作)は残念ながらスライド、デジタルとも写真を撮れなかったのだが、そのホール内の内装は市民会館に並ぶ傑作と言えるだろう。そのホール内でも素晴らしい装飾のクーポールの下でお茶が楽しめるが、ここは少し環境が良くないので身の回りには要注意。
チェコといえばパリで活躍後、祖国に戻ったミュシャを忘れてはいけない。ナ・プジーコペ通りから少し入ったところにある
ミュシャ美術館は小さいけれどもファンなら絶対に訪れたい場所だろう。
高級ホテル
ホテル・パリホテル・ヨーロッパでのアール・ヌーヴォーなお茶の時もお忘れなく!あと名前とアドレスを控えておくのを忘れてしまってとても後悔しているのだが(たしかホテル・ツェントラルの近くかな?)、上の写真にある総セラミック貼りのカフェにはその圧倒的な内装に惹かれて入った。深夜まで営業しており、ジャズの生演奏も聞けて、食事も手ごろでなかなかおいしかったのでオススメなんだけど…、どこだろうな…、これ。

プラハの近代建築


ナショナル・ギャラリー ファサード


ナショナル・ギャラリー内

産業宮殿のあるプラハ7区に19世紀〜現代アートを収容するナショナル・ギャラリー(1925−28年)がある。1924年に新しい展示場建設のためコンペによって選ばれたこの案は、チェコ建築界に新しい風を吹き込み、機能主義の時代の到来をプラハ市民に知らしめた(’28年のそのオープン時にはル・コルビュジエも訪れた)。まず訪問者を迎え入れる内部の吹き抜け部分は80m×40m×高さ15mにおよびガラスで被われている。1950年にはオフィス・ビルに転用、1974年に火災の被害に遭い、4年後には美術館として再建されて今にいたっている(1995年オープン)。

  
おそらく2030年代の無名だけど印象的な作品たち

  
     ミュラー邸      クラースノホルスケー通りの住宅 

プラハ・アール・ヌーヴォーの代表作、プラハ市民会館が完成する頃、プラハでは新しい芸術の流れプラハ・キュビズムが誕生する。キュビズム自体は当時の前衛芸術としてはよく知られているが、それが建築作品として表現されたのは、ここプラハだけである。最初に登場したのは黒いマドンナの家(1911-1912年、ヨゼフ・ゴチャール)、現在のチェコ現代アート・ギャラリーである。旧市街にあるクラースノホルスケー通りの住宅をはじめ、ヴィシェフラッド城跡周辺にキュビズムの重要作品が残っている。
あとお薦めはプラハに一つだけ実現した
アドルフ・ロースの作品、ミュラー邸(1928-1930年)。私は予約がとれず入場できず残念だったが、外観だけでも…とはるばる行って来た。資料で見る限り珍しい縞大理石をふんだんに使用したデッサン室が見事!ああ、見たかったなあ…。後悔先にたたず、予約はお早めに!

Müllerova vila  (見学は火・木・土・日、要予約、人数制限あり) 
住所
Nad hradním vodojemem, Praha 6
コンタクトvila.muller@muzeum.mepnet.cz

 



最後に思いつくまま・・・
プラハは物価が安かった。それはもちろん外国人にとって・・・と言うことだけれど、飲食代はパリの半額と言っても良いくらい。でもお宿やオペラ、コンサートはけっこう良い値段でこれは案外パリの方が安いかもしれない(貴重な財源だものね・・・)。
料理はドイツと同様に評判がよくないと聞いていたけど、実際食べてみるとなかなかおいしい。気取らない料理でぜんぜんOK。それに値段の事を考えると断然OK。
私が旅先でする好きなことの一つは“カフェ探訪”だが、ここはなんとも素敵なカフェが多い。とにかく街中にカフェがあふれている。パリのそれとも違うし、私の好みのスタイルがとても多い。値段も安いから私なら全部試したいところだが・・・この希望はぎっしりと詰まった建築探訪プログラムのためにかなわなかった。それでもいくつかアール・ヌーヴォー・スタイルのカフェは訪れることが出来た。超高級ホテルのサロンでのお茶が50KC(約150円)しないのは感動的!
街の雰囲気はとても特殊で、影響を受け合ったウィーンとも少し違う。私の一番新鮮な記憶として残っているバルセロナの特殊性(あくまで特殊性)に似ているかもしれない。建築スタイルはやはりバロックが圧倒的だが、 そこにアール・ヌーヴォーが散りばめられており、ところどころに共産党時代の重い建築や30年代の機能主義、そしてチェコにしか存在しないと言われる
キュビズム建築などなど、街中が建築博物館である。とにかくどの建物を見ても感動と驚きがあるのは、やっぱりバルセロナに似ているのかもしれない。
そしてやっぱりここは音楽の街。多くの音楽家が憧れるというだけあって、街中に音楽があふれている。どこのホールでも教会でも必ず何か催している。パリにあれだけいても結局一度も見ることがなかったオペラに私はプラハで初体験!日中の過酷なプログラムの後ではちょっと疲れましたが、1晩目は
エステート劇場でオペラ「ドン・ジョバンニ」を、そして2晩目はプラハ市民会館でのプラハ・ロイヤル・オーケストラのコンサートを鑑賞。体は疲れていたけれど、素晴らしい空間でのとても贅沢な体験となった。
・・・ということで、今回友人の招待でプラハに行く機会を与えてもらって本当に良かった・・・と嬉しく思っている。私はプラハがとても気に入った。またいつの日か、今回見られなかった建築をゆっくり見て歩き、そして素敵なカフェめぐりをするためにも、必ず訪れたい・・・。




プラハの観光情報はこちらへ仏語・英語
http://www.andel3w.dk/antuser/french/default.htm

私達がお世話になった家庭内宿泊所
Accomodation in Prague (Daniela BRZORADOVAさん)
バーツラフ広場沿い、国立博物館のすぐ近く
tel./fax : 00 420-2-22212090
e-mail : brzorad@telecom.cz


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