■ Lyon : リヨン ■
リヨンの情報 : リヨン市公式サイト
リヨンはパリからTGVで2時間のところにある、フランス第2の都市。 その昔、織物で栄えたこと、少々保守的な精神、文化的レベルの高さ、そして美しい街並み・・・日本でいうと京都のようなものだろうか。この高台からの景色は本当に素晴らしく、ユネスコの世界遺産に登録されていると聞いたことがある。
今回2度目のリヨンは、論文の調査(このときは建築家ジュール・ラヴィロットについて調べていたのだが、数ヵ月後に諸事情でテーマの変更を強いられた)がメイン。図書館や資料センターでの仕事もあるが、やっぱり楽しまないとね!
ここリヨンは私の憧れの建築家、エクトール・ギマールの出身地でもあり、今回は絶対に見たいもの、探したいものがあるのだ!
このリヨンの高台には、19世紀の後半に建設された印象的な折衷スタイルのフルヴィエール・バジリカ大聖堂がある。内部はかなり過剰に装飾されており、華美の一言に尽きるが、モザイク画がとても美しく、ステンドグラスや重厚な大理石も
一見の価値ありです。ここへ行くにはいくつかの方法がある。メトロの延長で、ケーブルカーに乗り換えて一気にフルヴィエール駅まで行く方法と、急な坂道からロゼール庭園のくねくね道を行く方法。あと、私が前回試したのは、サン・ポール広場から、キャルム・ドゥショセの階段道、ニコラ・ドゥ・ランジュの階段道をえんえんと上っていく方法。大聖堂とともにどこにいても目に付く鉄塔のふもとにまず到着します。これはけっこう疲れましたが、街の違う表情が楽しめました。
今回は効率よくケーブルカーに乗りました!この近くにある教会の資料室で建築家の洗礼の記録について調べました。そこの館長さんからとても重要な証言が得られて喜んでいたのになあ・・・
同じ高台の一角に古代ローマの遺跡が残っている。整然とした街並みを見下ろしながら、なんとも不思議なコントラスト。この遺跡はとても大きなフランス最古の劇場と、オデオン(古代ローマの音楽堂, 劇場) 、そして職人街の遺跡から成っていて、朝の9時から日暮れまで無料で公開されている。夏期には今でも現役の野外劇場として数々のイベントが行われている。でも普段は市民の憩いの場。日光浴やピクニック、みな思い思いの時を過ごす。天気が良かったので私もここでお弁当を食べました!このすぐ近くに考古学博物館もあります。
リヨンで一番大きなベルクール広場は、ローヌ川とソーヌ川にはさまれた半島の中ほどに位置する、ヨーロッパでも有数の大きさと誇る。広場の中央にはルイ14世の騎馬像を擁する昔のロワイヤル広場。街で最も賑やかなレピュブリック広場はここから市役所まで続いている。市役所の横にはヌーヴェルが改装を手がけたオペラ座があリ、夜になると妖しげに赤い光を放っている。他に賑やかな界隈は旧市街とパール・デュー駅の周辺。
リヨンはさすがに美術館の数も多いし質も高い。今回どうしても見ておきたかったのはボザール美術館と装飾美術館。ボザール美術館はパリにあるギマール自邸にあった家具などを多く展示している。戦時下アメリカに渡りそのままそこで亡くなったギマールの死後、婦人は自邸とその中身の買取りをフランス政府に求めたが、その頃アール・ヌーヴォーの評価は非常に低く、政府はその依頼を一蹴してしまう。作品の拡散を避けるため、婦人は彼の出身地リヨンの美術館学芸員に話を持ちかけたそうだ。そして自邸の家具のほとんどはここに収容されているという訳。ブリュッセルのオルタ邸、グラスゴーのヒルハウスに匹敵するようなギマール邸の公開はこうして幻に終わってしまった・・・、hélas!
この写真は美術館からの市役所前の広場の様子。
図書館で調査をすませ、ラヴィロットゆかりの場所を訪問し、美術館も行けたし、絶版となってどこをどうさがしても入手不可能だった92年のギマール展のカタログをリヨンの装飾美術館でようやく見つけて大満足!時間が出来たのでちょっと足を伸ばしてラルブルスル(l’Arbresle)にあるコルビュジエのラ・トゥーレット修道院を見に行くことにした。ここはリヨンから電車で片道40分程度。電車も本数が結構あるので、半日あればOK。駅を出ると後は1キロ半くらい上り道を歩かなくてはなりませんが、眺めもいいし、楽しいお散歩。高台にあるにも関わらず駅の方からその姿は見えず、上りきった道のつきあたりに立っているようなそのたたずまいは、むしろ平凡な感じがした。(写真は庭からの様子)
やっぱりコルビュジエの作品って、外観より中にいるときに感じる光が素晴らしい。見学は毎週、土曜と日曜に可能。6月15日から9月15日は毎日。宿泊も可能で1泊(朝食付)で105F(学生はたったの50F)。昼食も夕食も出してくれるので(別料金)、建築ファンが世界中から大勢やってくるここ、コルビュジェ巡礼の要所で、ゆっくり作品の構想を練るのもいいかも知れませんね。
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