
その他のお気に入り映画 : LES AUTRES FILMS FAVORIS
〜 2002
惜しくもベスト・テンからは外れたけれど、その他にも大好きな映画、強烈な印象を受けた忘れられない映画がたくさんあります。それらのお気に入りたちを思いつくままにリスト・アップしてみました。
N.B. フランス映画に関してはフランスのデータを採用しています。
index alphabétique ■原題 (邦題)
■AMANT (l’) (愛人) ★★★★★
1992/France-Grande,Bretagne/112min/comédie dramatique
de Jean-Jacque Annaud
avec Jean March,
Leung Ka-Fai, Frédérique Meninger
コメント・・・COMME
CI, COMME CA. バックナンバーより
■APPARTEMENT (l’) (アパートメント) ★★★★
1996/France/116min/comédie dramatique
de Gilles Mimouni
avec Vincent Cassel,
Romane Bohringer, Monica Bellucci, Jean-Philippe Ecoffey
幾度となく重なる偶然が巻き起こす恋愛ドラマ。現在と過去のストーリーが交差して、最初見たときは少し話についていくのは大変だったけど、ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチのカップル(実生活でもカップル)が好演。お気に入りの若手俳優たちです。ロマーヌの演技は相変わらず重い・・・。モニカ・ベルッチのアパートとして出てくるのはパリ・アール・ヌーヴォー建築の傑作の一つ、16区にある2 rue Eugène Manuelにあるシャルル・クレインの集合住宅で、当時パリで行われていたファサード・コンテストにも入賞している。映画ででてくる室内は本物かどうかわからないが、その雰囲気を良く伝えている。
■BREAKING THE WAVES (奇跡の海) ★★★★★
1996/Danemark/158min/drame
de Lars von Trier
avec Emily
Watson, Stellan Skarsgard, Katrin Cartlidge, Jean-Marc Barr
映画が終わっても、しばらくは立ち上がれないような衝撃を受けた作品。本当に純粋であることは、こんなにも残酷なことなんだろうか・・・、宗教とはいったいなんだろう・・・、肉親の愛、男女の愛って・・・?様々な難問を観る人に問いかけてくる。数日はずっしりした気持ちになるでしょう。この映画で一躍脚光を浴びたエミリー・ワトソンの演技はスゴイの一言に尽きる。
■CEUX QUI M’AIMENT PRENDRONT LE TRAIN
(愛する者よ、列車に乗れ) ★★★★
1997/France/130min/comédie dramatique
de Patrice Chéreau
avec Pascal Greggory,
Valeria Bruni-Tedeschi,
Charles Berling
なんだか訳のわからないイライラ感が残って、結局何度か劇場に足を運んでしまった。ホモセクシャルの画家がなくなり、彼が望んだ通りリモージュで行われる彼の葬式に参列するために集まった人々の人間模様がテーマ。それをきっかけにみながそれぞれに自分の愛を見つめなおしていく。映画に登場するリモージュの墓地はヨーロッパでも最大級のものらしい。国鉄の列車を借り切ってのロケも話題になったが、私はエンディングのこの墓地の俯瞰シーンが特にお気に入り。
■CIEL EST A NOUS (le) (シューティング・スター) ★★★★
1997/France/90min/comédie
de Graham Guit
avec Melvil
Poupaud, Romane Bohringer,
Jean-Philippe Ecoffey
文句なしに笑えるコメディ。いつも気難しい役の多いメルヴィル・プポーに、こんなへなちょこ役ができるとは!!!と結構感動の発見。私はこの映画で彼の大ファンになりました。ロマーヌの重い演技も、ここでは笑いを誘う要素になり得ている。ドラッグの取引に使われるレストランは、うちの近所にあったよく通ったインド料理レストラン。単純だけどそういうのがあると見る楽しみもアップするのだ!
■Cravate Club ★★★★★
2002/France/85min/Comédie
de Frédéric
Jardin
avec Charles Berling,
Edouard Baer
実質、ポスターの2人しか出てこない二人芝居。これはまさしくシャルル・ベルリングのはまり役!ヒステリックで、執拗で、淋しがりや!建築事務所を共同経営する二人は、まったく違う個性を持っている。ベルナール(シャルル・ベルリング)の40歳の誕生日の夜から、2人の間で語られるようになったあるクラブ(倶楽部)についての話し合いが、やがて壮絶なバトルにまで発展。お互いに離れらない、友情を超えた特別な関係(ホモ達ってわけではないです・・・)を築いていたことを再確認していく。この作品は実際にこの二人の出演ですでに舞台でも上演されたもの。見比べてみるのも、興味深いです!
■CRYING GAME (the) (クライング・ゲーム) ★★★
1992/Grande,Bretagne/113min/comédie dramatique
de Neil Jordan
avec Stephen
Rea, Miranda Richardson, Joye Davidson
これは商業的に元気のなかったイギリス映画界が息を吹き返すきっかけになった映画じゃないだろうか?人情味(?)あふれるIRAの男が経験する奇妙な友情と恋が話しの軸。B級的な雰囲気をかもし出しながらも、スリルのあるストーリー展開がおもしろい。ちょっと太ったボーイ・ジョージが唄う主題歌も映画の雰囲気にマッチしてけっこうお気に入り。
■DIDIER ★★★★
1996/France/105min/comédie
de Alain Chabat
avec Jean-Pierre Bacri, Alain Chabat, Isabelle Gelinas
超単純なストーリー、ばかばかしいフレンチ・コメディ!これ以上他に言いようがない。でもこんなことを真顔でやるJ−P・バクリもアラン・チャバも大好きなベテラン俳優。とにかく抱腹絶倒。この映画に出会ったおかげで私はフレンチ・コメディをよく見るようになった。犬って本当におもしろい!!!
■ENFANTS DU MARAIS (les) (クリクリのいた夏) ★★★★★
1998/France/115min/comédie dramatique
de Jean Becker
avec Jacques Gamblin,
Jacques Villeret, Michel Serrault,
André Dussollier
沼のほとりの小さな家に住む家族とその友人達のお話し。個性的な男たちの友情や恋心が、心地よいユーモアと人生の機微を織りまぜながら、子供の視線を通して語られていくこの作品は、現代社会に生きる私たちが見落としそうな素朴な幸せを見る人すべての心にそっと教えてくれる、さわやかなノスタルジー・フィルムの珠玉。フランスの映画館で見たとき、一般上映にもかかわらず映画の後で拍手が起こったのはこれだけ。とてもいい経験でした。
■ENNUI (l’) (倦怠) ★★★★★
1998/France/116min/comédie dramatique
de Cédric Kahn
avec Carles
Berling, Sophie Guillemin,
Arielle Dombasle
これははっきり言って、特に美しくない男女がやりまくる映画です。だからと言って何かを期待してはいけません!これは欲情する映画ではなく、心理的な観点からすごく興味深い作品です。仕事や人生に行き詰まり感じている哲学の教授マルタンが、謎めいた無知な少女セシリアに出会ったことによって自己崩壊するまでを描いている。崩壊っていうのは大げさって思われるかもしれないが、まったく違う次元に存在しているものに興味を持つこと、それに触れて(関わって)しまうこと・・・、それが今まで自分を支えていた価値観や信条を崩しきってしまうことって容易にあり得る。それは怖いことだけど、人との関わりの中で誰の身にもおき得ること。アダムとイヴのりんごみたいなもので、そういうものこそ手に入れたくなるのは、人間の性なのかもしれません。これはまさにシャルル・ベルリングのはまり役!
■GOUT DES AUTRES (le) (ムッシュ・カステラの恋)★★★★★
1999/France/112min/comédie
de Agnès Jaoui
avec Jean-Pierre Bacri, Alain Chabat, Gérard Lanvin
とにかく3人3様の男たちの演技がいい。脂が乗り切っている俳優たちの共演にポスターを見たときから血が騒いだ。バクリとジャウイのカップルって本当にくすくすってほくそ笑んでしまう、シナリオを書くのが天才的に上手い!セザールでもアカデミーでも大いに評価された2000年の大ヒット映画。
■HOTEL NEW HAMPSHIRE (the) (ホテル・ニューハンプシャー) ★★★
1984/Etats-Unis/109min/ comédie dramatique
de Tony Rchardson
avec Jodie
Foster, Rob Lowe, Beau
Bridges, Nastassia Kinski
摩訶不思議な独自の世界を築いている人気作家ジョン・アービングの小説をイギリス人監督が映画化。この組み合わせのせいかアメリカ映画っぽくない雰囲気にしあがっている。ホテルの経営を夢見る一家に信じられないような悲劇が次々と起こるのに、なぜか雰囲気はほのぼの・・・。まだ若々しいジュディ・フォスターやその頃の私のアイドル、ロブ・ロウ、ナスターシャ・キンスキーも熊の着ぐるみを着て熱演(?)している。
■JE T’AIME, MOI NON PLUS (ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ) ★★★
1976/France/90min/drame psychologique
de Serge Gainsbourg
avec Jane
Birkin, Joe Dallessandro, Hugues Quester
歌手ゲンズブールの監督第1作。当時のパートナー、ジェーン・バーキンを少年のような雰囲気を持つ美少女に仕立て、ホモセクシャルなカップルとの三角関係を描いている。初めてこの映画を見たときは、あまり良いとは思わなかったが、何度か見ているうちにけっこうきれいな映画だと思うようになった。従来のフランス映画にはないような国籍不明な殺伐としたその乾いた映像は、今見てもとても新鮮。
■MARI DE LA COIFFEUSE (髪結いの亭主) ★★★★
1990/France/80min/comédie dramatique
de Patrice Leconte
avec Jean Rochefort,
Anna Galiena, Roland Bertin
パトリス・ルコントは今や日本でも非常に人気の高いフランス人監督だが、彼の名前を一躍有名にしたのが、日本で初めて公開されたこの名作。子供の頃から理容師と結婚したいと思っていた男が中年になって夢を実現させるが、幸せな日々にやがて訪れる意外な結末・・・。午後のシエスタみたいな独特の雰囲気が、アラブの音楽と共に、心に残る。
■NUITS FAUVES (les) (野生の夜に) ★★★★
1992/France/ 126min/drame psychologique
de Cyril Collard
avec Cyril
Collard, Romane Bohringer
監督、主演のシリル・コラールが自ら書いた自伝的小説を映画化。HIV感染者でバイセクシャルのジャンはローラと出会い恋に落ちるが、病気のこと、男友達のこと・・・解決できない問題を抱え、ローラは心のバランスを失っていく。フランスでもこの衝撃的な作品は重いテーマながら大ヒット。セザール賞も受賞したが、残念ながら受賞式の数日前にシリルはエイズのために亡くなってしまった。
■OFFICER AND A GENTLEMAN (an)
(愛と青春の旅だち) ★★★★★
1982/Etats-Unis/124min/comédie dramatique
de Taylor Hackford
avec Richard Gere,
Debra Winger, David Keith, Louis Gossette Jr.
海軍士官学校に入学した青年が厳しい訓練を受けながら卒業するまでを描く、文字通り愛と青春の物語。と、同時に子供から大人まですべての女性を魅了した恋愛映画の決定版!ではないかな?アメリカ的ハッピーエンドのラストシーンは文句なしにみんなをハッピーにしてくれます。今や中年のおじ様、リチャード・ギアがまだ若い!!!
■OUT OF AFRICA (愛と哀しみの果て) ★★★★
1985/Etats-Unis/161min/comédie dramatique
de Sydney Pollack
avec Robert Redford,
Meryl Streep, Klaus Maria Brandauer
20世紀初頭、男爵と結婚をしたデンマークの資産家令嬢が、コーヒー農園の経営のために希望に満ちてケニアの地にやってくる。しかし仕事はうまくいかず、夫は女遊び・・・と、待っていたのは苦渋の日々。そんな彼女の前に現れたのは束縛を嫌う、冒険家デニスであった・・・。実話に基づいて書かれた小説の映画化。アフリカの雄大な自然をバックに繰り広げられる、大人の愛の物語。
■OUTSIDER (the) (アウトサイダー) ★★★
1985/Etats-Unis/161min/comédie dramatique
de Francis Ford Coppola
avec Matt
Dillon, C.thomas Hawell, Ralph Macchio
ティーン・エージャーが書いた同名の小説を映画化。“ソッシュ”と“グリース”階層の違う二つのグループの対立を軸に、友情や死、淡い恋心を描き大ヒットした、将来のYAスター総出演している80年代青春映画の代表格。最後にスティービー・ワンダーの唄う主題歌 “stay gold ”が流れるとき、心はジーンとしているはずです。
■PLEIN SOLEIL (太陽がいっぱい) ★★★★★
1960/France, Italie/119min/comédie dramatique
de René Clément
avec Alain Delon,
Maurice Ronet, Marie Laforêt
最近アメリカでもリメイクされたこの世界的に有名な映画は、作品が優れていたことも確かだが、アラン・ドロンの美貌によるところも多いのではないだろうか。個人的にアラン・ドロンはぜんぜん好きではないのだが、この野心に満ちた貧しい美青年トム役は他には考えられない。印象的なテーマ音楽とともに、これからもヨーロッパ映画の名作であることは間違いないだろう。
■PRETTY BABY (プリティ・ベビー) ★★★★★
1978/Etats-Unis/110min/comédie dramatique
de Louis Malle
avec Keith
Carradine, Brook Shields,
Susan Sarandon
まだ胸もふくらんでいないブルック・シールズが娼家に生まれ育った美しい少女の役を熱演している。まだほんの子供なのに娼家で水揚げされたこの少女は、この娼家に出入りする写真家と恋に落ち、共同生活を始める。子供の部分と女の部分を持ち合わせた美しい少女は、やがて男を翻弄し始め、ゲームに飽きると彼のもとを去っていく・・・というようなルイ・マル版「ロリータ」とも言える。子供の残酷さと、女性の薄情さをよく表した作品。
■ST. ELMO’S FIRE (セント・エルモス・ファイアー) ★★★★★
1985/Etats-Unis/108min/comédie dramatique
de Joel Schumacher
avec Emilo
Estevez, Rob Lowe, Andrew McCarthy, Demi Moore
大学時代の仲良し7人組の卒業後しばらくたってからのお話。それぞれが仕事、結婚、恋愛など様々な問題に直面し、それを乗りこえていくまでを当時人気のあったYAスターが好演。その頃私が大好きだったアメリカ青春映画のなかでも特にお気に入りの作品。まだブレイク前のデミ・ムーアやアンディ・マクダウェルが出演している。
■TEMPS RETROUVE (le) (見出された時) ★★★★
1998/France/162min/biographie romancée
de Raoul Ruiz
avec Catherine Deneuve, Jean Malkovich,
Emmanuelle Béart, Vincent Perez
いつも超難解な映画を作るラウル・ルイーズ監督の作品は一度見ただけでは(私には)理解できないことが多い。それでもいつも心惹かれる彼の作風がプルースト的なのだと、この映画を見て初めて理解した。この映画はそのプルースト的作風を持つ監督が、プルーストの大作「失われた時を求めて」の映像化に挑んだ作品。豪華な俳優が顔を揃え、優れたスタッフの仕事のもと、時代を(おそらく原作も)忠実に再現しており、ほとんどの人が読み終えることの出来ないこの大作をパズルでもするように楽しむことができる。
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