とっても大きな図書館
知り合いの日本人建築家夫妻がパリにやって来た際、私は彼らのおかげで幸運にもほとんどのフランス人がまだ足を踏み入れたことのないTGB(très grande bibliothèque:「とても大きな図書館」) を見学する機会を得た。これはプロジェクト名で正式な名称はBNF(La Bibliothèque national de France:フランス国立図書館 )と言う。この今世紀最大の(パリでの)プロジェクトと謳われた図書館は、もうすでにパリの南東ベルシー地区にその巨大な全貌をあらわしているが、これはコンペティションによって選ばれたフランス人建築家ドミニク・ペロー氏の作品。パレ・ロワイヤル近くにある今の国立図書館から膨大な資料の移動をして、来年早々の開館を目指しているそうだ。
国立図書館に出入り出来る研究者や大学院生たちインテリをBN族と呼ぶそうだが、彼らのための空間は新・国立図書館でも優先的に考えられているように思う。しかし現・図書館にあるようなアカデミックな熱気のようなものが、この新しい場所に息衝くようになるのは、まだまだ先になることだろう。数年前ルーブルにあった大蔵省がこのベルシー地区に移転したとき、多くのそこで働く人々が都落ちを嘆いたというが、今回の判定はいかに?