深夜MIKAのカフェタイトル

日曜日とアメリカ文化

私の日曜日はいつも静かに過ぎていく・・・。と言うのも、いつもお祭騒ぎのような日本からやってきたばかりの頃は、まだまだほとんどの商店がシャッターを降ろしてしまうパリの日曜日は至極不便に思えたものだったのだが、こちらの人々の生活のリズムに慣れてくると、それが案外心地よいものに変わって来たから不思議だ。店が閉まることによって日常の雑用から完全に切り離されるからだろうか?安息日という言葉が本当にしっくり来る。


例えば朝市で食材を揃えて友人と食事を楽しんだり、散歩、公園で日向ぼっこ、近所のカフェで・・・と私はこんなクラッシックな過ごし方にとても満足しているが、エネルギーの有り余る今の若者たちはそうではない。


ショッピングの出来ない観光客がどっと押しかける美術館には行かない。観光客目当てに店をあけているカフェも最悪。教会へ行く人もめっきり減ってしまった。が、雨後の筍のように出現した年中無休のファーストフードの店には、信じがたい数の若者たちが集っている。「フランス人は英語がわかってもフランス語でしか答えない・・・」などと言われていた時代が懐かしい、と言うか何というか・・・。


今や若者たちはスケートボードやローラーブレードに乗っかり、リーバイスのジーンズをはき、ジャンクフードを頬張りながら、英語の音楽を聞く。そしてこれまた年中無休のヴァージン・メガストアで時間を潰す人の多いこと、多いこと。日曜日はいつも新装開店のパチンコ屋のような賑わいだ。まあこの表現が少々大袈裟だとしても、若者のアメリカ文化への依存度は年々高くなってきていることは間違いない。


映画も然りだ。観客動員数の上位はいつもほとんどアメリカ映画が占めている。フランス文化に惚れてここまでやってきている私たち外国人にとっては残念なことでしかないのだが、外国文化に憧れる若者のパワーと最早手遅れのように思われるフランス政府の外国語規制政策の行方がこれからも見物ではある。