深夜MIKAのカフェタイトル

働くイヌ・ネコ



オペラ座周辺を縄張としているオルガン弾きがいる。彼にはとても可愛い仕事の相棒がいるのだが、彼らの魅力に引き付けられ、いつも周辺は人集り、篭には小銭がザックザック・・・。けっこう儲かっている様子だ。実はこの相棒はイヌとネコなのだが、真夏であろうが何であろうが、いつも2匹は肩を寄せ合い布団をかぶって、ミニミニベッドで眠っている。不思議なくらいに目を閉じてじっとして動かない。最初は「可愛い!」と感動したものの、この気持ちは彼らと出会うたびにだんだん心配へと変わっていった。「何か薬を打たれているんじゃないかしら?」とか「この主人が怖いからからかしら?」などなど。しかし最近彼らを見かけたときのことだ。その時は観客もなく、オルガン弾きが篭にたまった小銭をしまっているので、店仕舞いかな?と、様子をしばらく見ていたのだが、主人が指を鳴らすと同時に、このイヌ・ネコはベッドから飛び出し、思い思いの運動を始めた。思いっきり伸びをして歩き回る2匹。やはりじっとしているのはかなりのストレスなのだろう。そして主人に体を撫でてもらい、やがて時間が来たら自分から再びベッドへ戻っていった。布団をかけてもらい、目を閉じて、もう一仕事・・・。薬も暴力も叱咤もなく、平和に働くイヌ・ネコ。何かのポスターでも見かけたことがあるので、彼らはけっこう有名なのかも・・・。